お客さんの視点に立った盆栽づくりを。広めていきたい”突然変異”盆栽とは?
園に並ぶ数多くの樹種。現在は20〜30種類にもなるそうです。最初からこんなに沢山の種類があったのではなく、お客さんからの声に応え、徐々に種類を増やしていったのだとか。
お客さんの視点に立った盆栽づくりを
黒松、瑞宝(ずいほう)、楓(かえで)、うめもどき、海棠桜(かいどうさくら)、グミ、姫リンゴ、柿、バラ、姫オリーブ、紫式部…
プライスカードの樹木名を見て歩くだけでも楽しい、様々な小品盆栽が所狭しと並ぶ園内。
高松市国分寺町。香川県でも鬼無町と並ぶ盆栽の生産地として有名なこの町の、日当たりのいい住宅地に「はるちゃん盆栽」はあります。
盆栽園の3代目の岡田利幸さん。
外国航路の船乗り、国鉄の社員を経て、早期退職の後、盆栽栽培に専念するようになりました。とはいえ、休みの度に父親の手伝いをしていた岡田さん。生まれた時から当たり前のように盆栽がある環境だったこともあり、盆栽に携わる年月は50年余りになります。現在は奥様と二人三脚で盆栽の栽培からインターネットでの販売までを手がけています。
お客さんの声に応えて樹種も充実
早期退職して盆栽を始めたのは自然の成り行き。
園に並ぶ数多くの樹種。現在は20〜30種類にもなるそうです。最初からこんなに沢山の種類があったのではなく、お客さんからの声に応え、徐々に種類を増やしていったのだとか。
「お客さんが何が欲しいか。その声を大切に臨機応変に応えていきたいと思っています。」
その言葉通り、苗を仕入れに県外に行くのも珍しくはないそう。県内に苗を栽培している人がいない場合は、愛知、遠くは埼玉や長野まで車を走らせます。またお客さんの声がきっかけで鉢も取り扱っています。
これからは国分寺発祥の「瑞宝」を広めていきたい。
国分寺で発見された黒松の突然変異「瑞宝」は葉色が濃く芽が多いのが特徴。
作っていた方が亡くなり、現在他に作っている人がいません。地元のものを残していきたい。またお客さまからの注文も多い樹種とのことで、その声に応えていきたいと今後の展望を聞かせてくれました。
園にもぜひ来てもらいたいという岡田さん。松の芽折りの枝がちょうどよく伸びてきて、かわいらしい佇まいの実ものが色づく秋が特におすすめだそうです。