盆栽を自分でも作ってみたくて今回「盆栽づくりキット」で盆栽づくりにチャレンジしてみました。盆栽歴は2年ぐらいですが形の出来上がった盆栽を購入して育てていたぐらいで未だ初心者の域を脱することが出来ない愛好家です。
もみじと五葉松の小さいのを所有していますがもみじは3代目で前の2鉢は管理が至らずに枯らせてしまいました。2年前に初めて手にしたもみじはエアコンの室外機の近くに置いてしまいたった数時間でドライになってしまったのはいい経験です。
そんな私ですが、この2年で多少は成長してるのでは思い、盆栽を作ってみたいという衝動に駆られて盆栽づくりにチャレンジしてみましたのでその結果をご報告します。
盆栽を「作る」ということ
盆栽の3大楽しみ方って「育てる」「鑑賞する」「作る」とのこと。私自身は2年間育ててきたし、盆栽展示会も見に行って、おうちでのインテリアに盆栽を取り入れて楽しんできました。「育てる」「鑑賞する」これまで私のメインの楽しみ方です。
まだやったことのない作る楽しみ、でも「作る」っていったいどういうことだろう?そんな疑問もあったので盆栽を作ることを調べてみました。知ってみると「盆栽を作る」ということはとても奥の深い作業で、素人が真似できない部分もあったりすることが分かりました。ただ、間口も広く簡単に作って楽しめることも。詳しくは下記で説明されているので参考にしてくださいね。知った私はますます盆栽を作りたくなりました。
盆栽はこうやって作られている
樹齢何百年の盆栽が1億円とかテレビで紹介されてたりして、なんでそんな高いのって思ったりしてたんですが盆栽が作られる過程を知ると納得。こんなすごいことしてたんだと。
ただ年を重ねているだけではないんですね。簡単に説明すると盆栽は年月をかけて、剪定や整枝(針金掛け)を繰り返して樹形を作っているんです。
針金も木の成長や増えていく枝に対して掛けたり外したりということを何度も繰り返します。この位置に枝が欲しいと思えば剪定で全体の枝の成長をコントロールしながらほしい場所に枝を生やし成長させたり、ときには枝の移植手術的なことを施したり。
自然界の風情のある樹木を小さい鉢の中に模すとなるとこういった努力が必要なんですね。これが生きた芸術品と呼ばれる所以なんだと思いました。
長い年月かけてつくるから長く続けていける趣味ですね。ここまでやれるかなって不安はありますが、まずはそのとっかかりの部分から体験です。
今回作る樹種と形
樹齢何十年の立派な盆栽でなくとも、まだ若い木がヒョロっと曲がっているだけでもすごく和の趣を感じたりします。なんでですかね。自然界の木は風雪にさらされ環境の中で自然と幹が曲がっていくそうですが、私達が思い浮かべる日本の風景の樹木は確かにまっすぐ伸びた木ではないような気がします。水墨画や掛け軸に描かれる木も曲がりくねってますよね。知らずにそういうものが日本的な物とインプットされているのかもしれないですね。
今回作る盆栽は黒松です。3年生の若木の幹に曲がりをつけていきます。どのように曲げようか形をつくろうか色々考えたのですが、なにぶん盆栽づくりは初めてなのでここは、教科書どおりにひとつはつくってみようと思います。もう1本は何か盆栽の革新を起こすような作品を。規定とフリーみたいな感じで羽生結弦選手ばりの芸術点を叩き出したいです。
作るのに必要な道具
盆栽づくりキットに入っていたものと、追加で用意したものがありました。あると便利だなと思ったものものせましたので参考にしてください。
黒松の苗木2本、針金2種類(2mmと1.5mm)、鉢底網、陶器鉢2個、盆栽の土、割り箸、カラータイ
以上がキットに付属していたものです。
ハサミとペンチは別で用意しました。今回は室内で作業したので汚れないように新聞紙と園芸トレー、ぞうきんも、さらに、自分のイメージする盆栽に仕上げたいので陶器鉢を自分好みのものを用意しました。付属の鉢も悪くはないのですが、定番の盆栽鉢といった感じなのでここは個性を出したくて鉢にこだわってみることに。
付属の鉢です。定番の手作り山野草鉢と伝統的な太鼓型の鉢でした。
現代風のモダンな鉢となんと岩に植え込んでみたいと思います。
作りたい木をイメージする
切り立つ岩山に生える松の木。雨や風に打たれながらも懸命に生きるその生命力に得も知れぬ感動をおぼえます。そんな盆栽を作ってみたい!ちなみにイメージ的にしっくりくるのはこんな感じです。
水墨画のこの作品は日本画家の大竹卓さんが描かれました。水墨画の特徴である墨の濃淡や滲み、タッチが心地よく気持ちを落ち着かせてくれるのでいつかは自宅に飾りたいです。今回はこういう雰囲気で作ってみたいと思ったので器にもこだわり岩を選びました。
黒松の素材を植え替える
盆栽にとって何に植えるかはとても大事なことです。高級な盆栽になると、樹の格にあった器の格も必要だそうです。今回選んだ器は2つ。陶器の鉢と岩です。
まずは盆栽鉢に曲をつけるまえの真っ直ぐな黒松を植え替えます。この盆栽づくりにチャレンジした時期が10月で植え替え適期だったので今回は根を整理して剪定を行いました。しっかり根を活性化させて早く成長させたいです。やる時期によっては根を切ると木が弱ってしまいますのでそのあたりは自己判断で。不安だったらとりあえずは切らずにそのまま植え替える方がベターです。
盆栽を2年やってると植え替えも何回かやってるので慣れたものです。ただ、根を剪定するときはやっぱり緊張します。ひとまず鉢に植え替えて固定しこんな感じで。針金で曲を付けたら化粧をしてきれいにしあげます。
もうひとつの岩への植え込み。しかし鉢と違って普通の土では流れてしまうし固定できません。そこで登場するのがケト土!粘土状の土で苔玉の中身に使われる土です。粘土質なのでこういった特殊な器への貼り付けに適してます。
試行錯誤しながらこんな感じで岩山の中腹に植え込みました。
とって付けた感がハンパないですが、これも曲付けのあとに苔で仕上げて完成させます。
針金を巻きつける
針金かけるの実は初めてです。今育てている盆栽達にも針金を掛けたいな思いながら枝が折れたらどうしようとかやり方がわからず二の足を踏んでいました。
なんと、練習方法があったんですね。まず割り箸でやってみろと。ふむふむ、針金をらせん状にしながら棒にそって這わせていくイメージとテキストに書かれています。45度で巻いていくとも。
できました。こんな感じでよかったのかな?
棒を引き抜いてスッととれたらOKとのこと。スッと。。 ん? スッ 抜けません。。きつく縛りすぎようです。
棒をテコに針金を巻いてはいけないようです。針金自体を曲げて棒には触れるか触れないかのところでそわせていくんだとか。ちょっと慣れが必要ですね。何回か試してなんとか出来るようになりました。棒はスッと取れるようになったのですが、針金が一定に巻かれておらずいびつな螺旋になっているのがわかります。
これがしっかり出来ないと枝がちゃんと曲がらないとのこと。盆栽の道は一日して成らず。練習頑張ります。
それでは本番やってみます。
なんとか巻けました。岩の方は土で樹を接着しているだけなので針金を巻くのがとてもやりにくかったです。先に針金掛けて曲げてから貼り付ければよかったなと思いました。
高村店長に聞いたところ、どちらが先でもOKだと。ただ、針金掛けと根を切るような植え替えは樹にとってどちらも負担になることなので同時におこなわず、できれば樹の状態を見ながら別々の日に作業したほうがよいかもとのことでした。
先に聞いておけばよかった。。こうやって失敗を繰り返して成長するんだと自分に言い聞かせて先に進みます。黒松の若木ちゃんの生命力に掛けます。
こちらの方はうまく出来たような気がします。
曲がりをつけて化粧をする
それでは幹を曲げてみます。黒松の場合は特に若木は幹がしなやかで丈夫なのでおもいきって曲げても大丈夫と聞いて安心。でもはじめてなのでおそるおそるですが曲げてみました。
うまくいったように見えます。イメージどおりの作りたい作品ができました。苔と化粧砂で仕上げて完成したのがこちらです。
感想
盆栽の針金かけ初めてのチャレンジでしたが、思ったより簡単で楽しいものでした。盆栽はこうやって作られているんだと知識も得られ、盆栽職人さんに対して尊敬の念が深まります。盆栽により深く入っていくことで、展示会などで鑑賞するときも違った見方ができるでしょう。こらからも盆栽の楽しみが増えることにワクワクします。
今回は枝の無いストレートな黒松の苗木だったので、針金かけの基本を学ぶことができました。次は少し大きめの樹で複数の枝や幹に針金をかけてみたいです。
<盆栽キット商品>
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