盆栽を始めるといってもまず前提として植物について知らなければなりません。これがわかるとなぜこの作業をしなければならないのか、どう剪定すれば良いのかわかってきます。
多くの方はちゃんと植物のことを知らずに盆栽にチャレンジして枯らせてしまいます。そうやって失敗する中で植物について知識を深めていくのもひとつの方法ですが、やはりかわいい樹、しっかり知識をつけて少しでも枯らす確率を減らして盆栽を学びたいです。
さて、植物についてですが、学校で生物の授業で学んだのではないかと思いますが、おさらいです。
私はほとんど覚えていませんでした。
植物は葉、茎、根という部分で構成されているのは知っていますね。それぞれの役割についておさらいしましょう。
植物が生きていく上で必要なものは、呼吸と光合成です。
教科書には下記のように書かれていました。
「葉は植物に必要な呼吸作用と同化作業を行う部分 呼吸作用とは生物が外界から酸素を取り入れ二酸化炭素を外界に放出する現象、同化作業とは植物が外界から簡単な無機化合物を摂取し自体内でこれを自己の体を組成する物質と同様の有機化合物とする工程。異化作用の対照語。例)炭素同化作用、窒素同化作用など」
えーーと簡単に言うと、
植物は動物と違って自分で食事をしたり栄養をとったりすることができません。そのため自分の体の中で必要な栄養分をつくりだして生きているのです。主にでんぷんや糖分ですが、これらの栄養分を太陽のエネルギーを利用して、空気中の二酸化炭素と根から吸収した水から作り出しています。これが光合成です。
光合成では、養分と一緒に酸素もつくられて、気体として葉っぱから放出されます。
この一連の仕組は葉を中心に行われますので、植物にとって葉はとても重要な役割なのです。
茎は水分や養分の通り道としてとても重要な役割を持っています。
植物は根の先っちょ、毛根から水と栄養分、そして空気を吸い上げて、幹を通って葉に送ります。
下のイラストは幹の断面図です。
幹の中心ヅイを水や栄養分が通ります。
ヅイを通った水と栄養分は葉脈に送られ、太陽の光を浴びて光と熱によって植物の生長に必要な栄養物質(樹液)となり、今度は葉から幹に行き渡ります。そのときは形成層を通ります。これを繰り返すことで、植物は生長していくのです。