盆栽になる植物は?
盆栽になる植物は5種類。「松柏」「雑木」「花もの」「実もの」「草もの」があります。これらの多くは主に東アジアが原産です。
中には日本や朝鮮半島、中国生まれのものもあり、日本の気候は盆栽を仕立てる環境に合っているといえるでしょう。それぞれの種がどのような背景で仕立てられてきたのかを知ることで、盆栽の楽しみ方はより深まっていきます。
しかし近年盆栽が世界中に広まるとともに、前述した5種類以外の植物が登場するようになりました。例えば東南アジアではブーゲンビレアやハイビスカスなどの熱帯産の樹が盆栽として仕立てられています。
盆栽の主な5種類について、順に見て行きましょう。
まず「松柏」ですが、これは松・杉・檜(ヒノキ)・真柏(シンパク)・杜松(トショウ)・イチイなどを含む針葉樹類の総称です。
盆栽の中では一番知名度の高い種類でしょう。丈夫なので初心者にも比較的育てやすいのが特徴です。また常緑樹なので、1年中緑を楽しむことができます。中でも杜松はどっしりと構えた見た目が特徴的で、舎利(シャリ)や神(ジン)を上手につくるとより雰囲気が出ます。
舎利と神とは、枝や幹の一部分が枯れ、樹皮が剥がれて木質部分がむき出しになった状態のことです。枝で起これば神、幹で起きれば舎利と呼びます。
「雑木」は松柏を覗いた木本植物のことを指します。種類が豊富で、落葉樹が多いです。歴史が長いもののほとんどは日本・中国を原産としています。
針葉樹と違って1年中緑を見る事は出来ませんが、その分四季の移り変わりを楽しむ事が出来ます。自分が仕立てる盆栽が迎える春の新芽、夏の新緑、秋の紅葉、冬の落葉は一際感慨深いものがあるでしょう。モミジ類の樹も雑木に含まれ、秋には鮮やかな赤い葉を小さな鉢の中で鑑賞することができます。
「花もの」「実もの」は、主に花や実を鑑賞することを目的とします。「花もの」と「実もの」で種類は分けられていますが、中には花と実の両方を楽しむことができる盆栽も多いです。
松柏や雑木と違い花つきや実つきが重要なポイントとなってくるので、手入れも異なる点が多々あります。摘花や摘果を行ったり、種によっては剪定を行う事もあります。美しい状態を保つのが最も難しい種類と言えるでしょう。
「草もの」は草本植物のことです。初心者にでも簡単に、短期間で育てることができます。また花を咲かせた後に枯れてしまったり、覚えのない植物が鉢から顔を出し始めたりと、予想外な楽しみが多いのも「草もの」の特徴です。どこからかタネが運ばれ、植えていない植物が鉢から出てくることを「飛び込み」と言います。