青い目の若き盆栽起業家 オスカーが語る盆栽のビジョンとは

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青い目の若き盆栽起業家 オスカーが語る盆栽のビジョンとは

オランダからきた盆栽の伝道師、世界最大の盆栽コミュニティサイトを運営する盆栽エンパイアの代表 オスカーに話を聞きました。

世界中の盆栽愛好家の巨大コミュニティーサイトとして、年間訪問者が数百万に達する「盆栽エンパイア」の創設者であり、運営者であるオスカーさんが、来日するということで、以前からコンタクトのあった盆栽の学校もお話をうかがいました。

オスカー FROM BONSAI EMPIRE(盆栽エンパイア)

PROFILE
オランダ出身 アムステルダム在住
1987年生まれ

フローニンゲン大学修士
香港大学学士
数年間エネルギー関連会社にてマネージャー職に従事
2014年以来ウェブサイト「BONSAI EMPIRE(盆栽エンパイア)」に従事。取材、コンテンツ制作、情報収集、盆栽道を究めるべく世界各国を飛び回る日々
オランダ語、英語、スペイン語の三カ国語を操る

BONSAI EMPIRE(盆栽エンパイア)という、英語をはじめ12ヵ国語でローカライズ(2019年12月時点)されている盆栽に関してのグローバルプラットフォームがあります。

https://www.bonsaiempire.com/

オスカーと平松浩二 (世界で活躍する盆栽職人 平松浩二氏の盆栽園を訪れるオスカー)

今回の訪問の目的は?

京都で開催される盆栽の一大イベント第39回日本盆栽大観展に行くこと、幾つかの盆栽園をまわって撮影すること、盆栽会のキーパーソン、お世話になっている盆栽関係の人たちに会うことなどです。高松でも、平松春松園で撮影をします。

盆栽エンパイアとはどういったサイトですか?

世界各地からの愛好家や専門家によって設立されたコミュニティーサイトです。盆栽を通じて、盆栽好きな人々、興味のある人々をつなぎ、サポートしていくためのものです。初心者をはじめとして、誰もが盆栽について学ぶことのできる場を目指しています。

自然のもつ美しさに焦点を当てて、盆栽の魅力を紹介し、盆栽についてより知ってもらうこと、技術的な手助けをすること、まだ盆栽をはじめていない人にも、盆栽をはじめたいと思ってもらえるようにすることなどを念頭に、技術的、芸術的なコンテンツを提供しています。

オスカー

盆栽にかかわる様々な熟練者たちが、ゲストブログを寄せていますし、動画での解説、盆栽家へのインタビューなどのコンテンツを用意し、多くの人たちが楽しんでくれています。

「盆栽を通じて世界の人たちとつながる」という共通のビジョンを持った人々に支持されて、盆栽愛好家の間でよく知られた存在になっています。

盆栽エンパイアはどのように運営されていますか?

中心スタッフは4名、他は各国に散らばるコントリビューターにより、記事を作成したり、翻訳したりという8名程度のスタッフがいます。

僕は、基本的には、盆栽エンパイア の運営が中心で、コンテンツの企画、様々な国での盆栽イベントに出向いてレポートをしたり、著名な盆栽家、盆栽園、盆栽会のキーパーソン、職人などに会いインタビューしたりして、動画、画像、テキストでコンテンツを制作するのを主としています。

基本的なプラットフォームは盆栽エンパイアですが、YouTube、Facebook、Instagramなどのソーシャルメディアを駆使し、盆栽エンパイアを訪れてくれる人が増えるよう、盆栽の情報を発信しています。

僕は、創設者ですが、サイトがこのように拡大してきたのも、盆栽家、トランスレーター、コントリビューターなど、様々な協力者があってこそだと思います。盆栽愛好家のコミュニテイーの影響ももちろんサイトの充実に欠かせません。

盆栽エンパイアをはじめたきっかけは?

盆栽エンパイア(BOSNAI EMPIRE立ち上げ当初TOP画面)

盆栽との最初の出会いから話さなければなりません。

14歳のときに近所の園芸ショップで、盆栽を見つけました。嬉しくてなって、まめに世話をしていましたが、園芸感覚で毎日水やりし、肥料をやり、適当な感じで剪定したりして僅か2ヶ月で枯らしてしまいました。

今思えば10ドル程度の安い盆栽でした。シンプルで、ある意味ロークオリティーの盆栽だったかと。それでも、見つけた瞬間「運命だ!」と思ったほどです。

最初の盆栽を枯らしてしまった後に、また園芸ショップで盆栽を買ってきました。今度は図書館に行って、盆栽の育て方が載っている本を見て、お世話しました。その盆栽は1年程もったかと思います。確か冬に枯れてしまったかと。

その頃、盆栽についての情報は、限定的で、主には本から情報を得ていました。もちろん周りに盆栽を育てている人は、いませんでした。

そこで、テスト的に盆栽エンパイアを作ってみたんです。最初は2000年、確か冬12月だったと思いますが、15歳のときに、盆栽に関してのシンプルなウェブサイトでした。

そのサイトを少しずつアップデートしていきました。当時、これほどたくさんの人に利用されるサイトになるとは、思っていませんでした。

大学卒業後は、園芸かウェブ関連の仕事をされたのでしょうか?

まったく関係ない仕事をしていました。盆栽や盆栽のウェブサイトは、あくまで趣味の範疇でした。

大学の専攻は数学と経済学で、卒業後も4年間は、エネルギー関連の会社で、マネージメント職に就いていました。ご想像のようにとても忙しく、その頃の僕にとって「盆栽」は週末の息抜き、リラクシングタイムでした。

この生活を続けていても疲弊していくだけと思い、思い切って仕事を辞めて、好きな盆栽を中心とした、キャリアチェンジをすることにしました。

それまでに得た収入を元に、元々あったBOSNAI EMPIREのサイトを拡張し、事業として成立させていくということにシフトし、今に至っています。

盆栽エンパイア

盆栽エンパイア以外にも何かされていますか?

盆栽エンパイアの他には、フリーランスでユーザー体験から考えるプロダクト作りを提案する「UXストラテジスト」を務めています。

「UXストラテジー」というのは、ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、例えば、空港のチェックインカウンターにたくさんの人が並んでいて、待ち時間が長い上に、搭乗時間も迫ってきて、行列する人のストレス、対応する人のストレスも多く発生しているとします。

チェックインをマシーンで自動化してしまえば、利便性を高め、手続きもスムーズでストレスも緩和できるというような、問題を発見し、問題を解決するための戦略策定をするということです。

盆栽も、水やり、剪定、針金かけなど様々な体験をすることにより、どんなコンテンツが必要かとか、サイトのユーザビリティといったことに反映されるので、構造としては似ています。

まだまだではありますが、サイトの充実や、それに伴う盆栽に関する仕事の幅も広がり、次第に盆栽ほぼひと筋の世界に入ってきている感はあります。

好きな盆栽を仕事にし、盆栽の知識や技術を吸収し、世界各地の盆栽イベントに出かけて行って立派な盆栽を見て、取材したり、撮影したりするこの仕事に満足していて、もっと発展させていきたいと思っています。

僕の両親、大学教授である父とコンサルタントである母共に、こうしたキャリアチェンジを誇りに思い、喜んでくれています。

盆栽エンパイアは多言語化されていますが、当初からですか?

最初は、母国語であるオランダ語で作り、ほぼ同時に英語ができ、その後フランス語、スペイン語など今では、中国語、ポルトガル語、ロシア語も含め12ヶ国語でローカライズしています。

サイトは今、立ち上げた当初からは考えられないくらい、アクセス数が増えていて、1月100万人を超える訪問者がいます。アクセスの半数は英語で、あとはスペイン語やイタリア語などのアクセスも多いです。

盆栽エンパイアは、「盆栽を通じて世界の人たちとつながる」というビジョンを、具現化するためのプラットフォームとして立ち上げました。今では同じビジョンを持った人たちの賛同を得、盆栽界での認知度も高まり、ビッグコミュニティーへと成長を遂げています。

日本語版は立ち上げたばかりですが、盆栽の本場は何と言っても日本なので、日本語版もブラッシュアップしていきたいです。

盆栽エンパイアではどのコンテンツが人気ですか?

オスカー代表(香川県高松市の盆栽園「平松春松園」にてシューティング中)

盆栽のケア、手入れについてです。特に水やりについてですね。また、樹種についてもPVを稼いでいます。

今、力を入れているのはオンラインの盆栽講座です。スターターコース、ビギナーコース、インターミディエイト(中級)コース、アドバンスコースなどに分かれており、コースのレベルが上がっていくにつれ講習料も上がっていき、価格帯は15ドル~80ドルくらい。ビデオエディーターやトランスレーターなどど、一緒に制作しています。

講師陣も盆栽界では寄りすぐりの人材で、アメリカ盆栽会の第一人者ビヨン・ビヨホルム氏、イタリアで建築家及び盆栽アーティストとして活躍するマウロ・ステンバーガー氏など、欧米、または世界の盆栽家でよく知られた人5人程度が、それぞれの持ち味を活かして担当してもらっています。

カリキュラムについては、講師と打ち合わせをして、僕がオーガナイザーとして決めていっています。オンラインコースは、メインの事業となっており、利用者の満足度も高いです。コース終了後の2ヶ月後に、利用者のアンケートを送っているのですが、受講者の評価は5段階中、4.9~5と非常に高いスコアです。

ウェブ以外にも、電子書籍も制作しており、そちらの利用者の評価も上々です。初心者向けに盆栽の基本的なテクニックについて、100以上の画像を使い、わかりやすく解説したものです。

日本語版の電子書籍「盆栽初心者ガイド」をAmazonで購入し、拝見しました。

盆栽エンパイア(盆栽初心者ガイド 盆栽エンパイア著)

すごく嬉しいです、ありがとう。英語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、オランダ語、スペイン語、ドイツ語などで電子書籍を出版しています。

最近になってやっと日本語でのリリースをしました。日本語版はまだまだ十分ではないと思っていますで、ウェブサイトにしろ電子書籍にしろ、内容を深めていくためにアップデートしたいです。

これらの制作にあたって、私自身が盆栽を好きであり、ビギナーやインターミディエイトのレベルだということも、大いに役立っています。

オンラインコースを企画する場合も、僕が盆栽について知りたいことをコース内容に反映したり、疑問に思ったことを講師に依頼して、より詳しく、わかりやすく解説してもらったりという点で、うまく作用していると思います。そして何より、僕が盆栽について特別熱心な生徒だということも!(笑)

盆栽との出会いについて教えて下さい。


当時ヨーロッパでは、映画「THE KARATE KID」(邦題:ベスト・キッド)が大流行しており、映画の中で、いじめられっ子の少年ダニエルさんの師となるミヤギ氏が、盆栽を剪定する姿が、僕にはとてもかっこよく映りました。

この映画は少年と空手の師匠ミヤギ氏との交流と、少年が成長していく姿を描いたものなのですが、映画には盆栽が象徴的な意味合いも含め、何回か登場します。

特に印象的なシーンを紹介します。ダニエルさんが不良グループにいじめられた際に壊れてしまったミヤギ氏が自転車を直してくれます。その後、お礼を言うためにミヤギ氏の部屋をダニエルさんが訪れると、ミヤギ氏は盆栽の手入れをしています。

お礼を言うダニエルさんに、ミヤギ氏は「盆栽を作ってみなさい」と樹を渡します。戸惑っているダニエルさんに、ミヤギ氏ははさみを渡して言います。以下特に印象に残っているセリフです。

Miyagi: Close your eyes, concentrate. Think only tree.Think of perfect picture, down to last pine-needle.Wipe mind clean of everything
but-tree.Nothing exist whole world,only-tree……

Daniel:But how do I know if my picture's the right one?

Miyagi: If come from inside you, always right one. (ベスト・キッドより)

ミヤギ:目を閉じて、集中して、樹のことだけを考えるんだ。松葉の先端まで完璧な絵を心に描きなさい。樹以外のすべてのことを心から取り除きなさい。

ダニエル:僕の思い描いた絵は、必ず正しい、自分にふさわしいものと言えるの?

ミヤギ:自分の内面から生じたものは、いつでも自分にふさわしい正しいものなんだよ。

ミヤギ氏は、盆栽に向き合うということは、自分の内面に向き合うこと、それは空手の精神にも通じるというように、盆栽を通じてダニエルさんに伝えようとします。さらに、盆栽を通して空手に通じる概念を超え、人生について教えるために盆栽の知識を教えます。

僕はこの映画の影響で、「盆栽ってかっこいいな、盆栽の精神世界がかっこいいな」と思ったのです。

欧米の人で「THE KARATE KID」にはまって、盆栽を知った、盆栽を育ててみたいと思った人は多いと思います。その頃、みんな「THE KARATE KID」に夢中になっていたような記憶があります。

僕は映画の中のミヤギさんが作る盆栽を、どうしてもほしい! と思ったのです。オランダは元々園芸がさかんな風土がありましたが、園芸と日本の美学という組合わせは唯一無二な感じ、『特別な生きた芸術』という印象を受けました。

ベスト・キッド

©2010 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
『ベスト・キッド』 発売中
Blu-ray 2,381円(税別)/DVD 1,410円(税別)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
アメリカ 1984年製作
監督:ジョン・G・アヴィルドセン
出演:ダニエル:ラルフ・マッチオ、ミヤギ:ノリユキ・パット・モリタ、エリザベス・シュー他
内容:カリフォルニアに引っ越して来た、内気で弱かった少年ダニエルが、空手の老師匠日系人のミヤギと出会い、修行を通じて心身共に強く成長していく姿を描く青春アクション映画。

盆栽に出会う前にも日本に興味がありましたか?

元々日本の文化には興味がありました。日本に対しては、先端のテクノロジーを発展させていき、ロンドン、ニューヨークなどと並ぶパワーシティ東京をセンターに据え、アート、ファッションなどを牽引する現代的な側面と、茶道、相撲、着物、寿司、さむらい(武士道)など欧米とは決定的に違う伝統文化を維持していく、古典的な側面のバランスがおもしろいという印象でした。

また、外国からの物を、オリジナルのものとしてクールに発展させていく、感覚や技術が優れていると思います。

盆栽も然り。盆栽は日本の言葉であり、盆栽自体も日本のものですが、起源は中国にあるとされています。西暦700年頃の中国では、小さな器に小さな樹を特別な技術で育てる「pun-sai」=盆景というものがあり、それが日本に伝わって、極められ、盆栽として発展してきました。日本独特の審美性というものが盆栽の発展に大きく関わっていると思います。

盆栽に触れて、改めて日本の素晴らしさに目覚めたわけですが、盆栽エンパイアのウェブサイトを訪れる人にも、僕が感じたような体験をしてほしいと思っています。

好きな盆栽を教えて下さい。

五葉松やカエデが好きです。カエデは、春には新緑、秋の紅葉、冬の寒樹姿など四季を通じて様々な姿を見せてくれ、四季の移り変わりを、はっきりと感じることができます。

そして五葉松。長い年月をかけて育てるほど、風格が次第に備わっていく、男性的な豪胆さと静粛な感じが同居する、風情が好きです。

尊敬する盆栽作家は?

本当にたくさんいますが、鈴木伸二さん、木村政彦さん、小林國雄さん、などです。もちろん、ここにいらっしゃる平松浩二さん(インタビューは平松春松園で平松氏も同席の下実施)も、名前を挙げたらきりがありません。

鈴木さんには「大観」にて、盆栽家になるまでと、これからの展望など、木村さんにも彼の盆栽園にて、盆栽エンパイアでインタビューも試みています。

お2人のインタビューでは様々な教えを受けましたが、鈴木さんは、盆栽は限られた鉢の中で生きているから、みんなの愛情が必要、毎日の愛情が必要ということをおっしゃっていました。

木村さんも盆栽は生き物なので愛情をもって、高価なものも捨てるようなものも、母親が子どもを育てるように思いやりを持って育ててほしい、ということをおっしゃっていました。

どちらも共通して盆栽に対する愛情について語っており、これらは盆栽のテクニック以前に、盆栽に対しての基本姿勢、基本理念であると強く印象に残りました。

今後の目標を教えて下さい。

オスカーの目標

ヨーロッパでは例えば僕が盆栽をやっている、と言うとクールだと言われます。日本の盆栽業界の抱える問題を把握しています。高齢化、後継者問題などいろいろあると思いますが、盆栽に対する概念、意識をシフトしていきたいです。

敷居が高いと思われがちな盆栽に対する意識の壁を取り払い、まずは、はじめてみようと思わせること、はじめたらくじけないように途中で挫折しないように、盆栽を趣味として定着させるように必要と思われる情報を、わかりやすく、コンスタントに提供していきたいです。

盆栽を若者向けに普及するためには、SNSの活用が不可欠だと考えています。盆栽エンパイアはYouTube、インスタグラム、フェイスブックなどで、テキスト、画像、映像を駆使した様々な情報をリリースしています。若い世代だけでなく、年齢層の高めの方たちのアクセスも増加傾向にありますので、手応えを感じています。

盆栽をビギナー、インターミディエイト(中級)、上級と進んでいくピラミッド的な階層があるとすれば、ビギナーすなわち一番下の一番大きなパイを増やしていくことを優先的に考えています。

そして、増やした一番下のパイの大多数の人たちが、次のステップにすすめるよう、必要で適格な情報を、彼らが盆栽の世界に深く入っていく中で、適切なタイミングで提供していきたいです。

日本での盆栽の捉えられ方についてお気づきの点はありますか?

日本では若い世代は、盆栽以外のことに忙しい、時間を使っている印象がありますが、新しいこと、革新的なことを追いかけると共に、伝統を継承していくことの大切さを、盆栽エンパイアを通じてクールだと感じてほしいと思っています。

その為にも、次のステップとして、盆栽の本場である日本の若い世代を盆栽の世界に取り込むのに、日本語でのローカライズに一層力を入れて、取り組んでいきます。

今後の展望についてお聞かせ下さい。

僕に感動や、様々なポジティブな感情、盆栽を通してのさまざまな出会い、時には国境を越えた出会いを、体験を与えてくれた盆栽に対する感謝があるからこそ、盆栽の本場である日本で盆栽エンパイアを知らしめ、浸透させていきたいです。

そのことによって、盆栽業界の抱える問題を軽減し、盆栽文化を継承、発展させていくお手伝いができればというのが、私の課題であり、目指すところです。

もしかしたら、日本では、盆栽の歴史が長い故に、その素晴らしさが埋没し、盆栽はold generations(高年齢層)の趣味であるという固定観念があるのかもしれません。

また、盆栽の発祥地として、伝統を守るという点が重要であるが故に、ルールに従わなければならないという意識が高い傾向があるのかもしれません。

ヨーロッパやアメリカでは盆栽の歴史はそれほど長くはありませんので、盆栽自体が新しく珍しく特別な趣味として捉える人も多くいます。ルールも重んじますが、自然と欧米の文化的背景、風土、欧米的概念というものが新しいエッセンスとして加わって、独自のスタイルを生み出す場合もあるかと思います。

クールな趣味として、新しい視点を盛り込んで発展させることができるのではないかというのが盆栽エンパイアの展望です。

盆栽エンパイアは、情報や講座を提供する場、盆栽好きな人同士が集うコミュニティーであり、それをさらに充実、拡張させていくことを目標としています。

元々の主旨である、盆栽の美や調和、静謐さに人々が出会う場所である、というスタンスと共に、私たちが提供するコンテンツを通して、私が盆栽に対して感じたような感動や驚き、学びをわかちあってほしいというのが切なる思いです。

アングルを変えて盆栽を見ることができるという強みを武器に、盆栽文化の発展を助けていきたいです。

盆栽起業家 (日本の盆栽事業者 速見秀樹氏と撮影 その後、盆栽エンパイアの日本展開ついて意見交換がおこなわれた)

オスカーの母国 オランダについて

ヨーロッパ北西部にあり、ベルギー、ルクセンブルクと共にベネルクス三国と言われています。国名は「低い土地」という意味を表す通り、国土の多くが海抜0メートル以下を締めています。首都アムステルダムをはじめ、街中には運河や川など水と密接に関わりのある国です。

江戸時代の鎖国下でヨーロッパ諸国の中で唯一外交関係を維持し、長崎のデシマを介した貿易を通じ、当時オランダを通じ、ヨーロッパの近代文明、学問・技術を蘭学としてもたらしました。

盆栽起業家

春の3~5月にだけ開園している広大な花畑で有名なキューケンホフをはじめ、ミッフィーの街ユトレヒトや古都デルフト、近代的な街並が他と一線を画すロッテルダムなど観光スポットがたくさんあります。
古くより、他国で思想・信条のために迫害された人々を受け入れて反映してきたので、何事に対しても寛容な国民性であると言われています。

盆栽起業家

世界的に花の産地としても有名で、世界最大級の花市場であるアムステルダムのロイヤルフローラホランド(Royal Flora Holland)/アールスメール花市場があります。

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この記事を書いた人

小林真名実

小林真名実
福井県出身。関西学院大学卒。雑誌・書籍・ウェブ・携帯サイトの編集に従事。その後、日本の映画・放送・アニメーションなどのコンテンツ産業を国際競争力ある産業とするNPO法人にて広報、戦略室業務などを担当。その後、出産を経て夫の転勤に伴い香川県に移住したことをきっかけに盆栽を知る。日本の伝統文化である盆栽の奥深さを世の中に伝えたく盆栽総合情報サイトの立ち上げに参画。編集長に就任する。
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