枝を切るということ 剪定とは

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そろそろ梅の花も見頃を過ぎたころでしょうか。花後にどうすれば良いのかわからずに困っていませんか?

うちの説明書には葉芽を2つ残して剪定すると書いてあったと思います。だいたいどの盆栽本をみてもそう書いてあります。

切り方の説明はしていても、それ以上のことは書いてないので補足しておきたいと思います。

梅に限らず多くの樹に共通することですが、枝が長く伸びると花芽がつきにくくなりますし、また間延びした感じで見た目もあまり良くありません。

理想は、枝分かれしながら伸ばしていきます。直線で伸びるのではなくジグザグに伸ばしていくといったイメージです。

枝は切れば切るほどに細かく分岐して広がっていきます。こうなると落葉しても見応えのある樹になります。

剪定といってもいろいろな仕方と意味がありますが、細かい枝を分岐させるために、伸びた枝を切り戻す(短くする)というのが基本の剪定になるかと思います。

切る際に芽の方向には注意してください。

伸びる方向が他の枝と干渉しないか、どの方向に伸ばすかによって残す芽を決めます。

なので一律に2芽残してというのは、間違いではないですが、正解でもありません。

ただし、1芽残してカットした場合、その芽が芽吹かなければ、その枝は枯れてしまいますので注意が必要です。

そうやって樹の成長をコントロールしながら思う樹形に仕立てていくのが盆栽です。

はじめは切るのが怖いと思うかもしれませんが大丈夫です。切りすぎても、間違えて切っても、また別のところから生えてきます。剪定して枯らす人はそういないので思い切ってチャレンジして下さい。

この時期は植替えの時期でもあります。

枝と同じように根も細かく枝分かれしながら伸ばすのが良いです。そのほうがよく水を吸い上げてくれます。

根を切らずにいると太い根が長くのびてぐるぐると鉢の中で成長します。植え替えのときにこの太い根をカットして、細かい根が生えるようにしましょう。

細かい枝の見応えのある木には細かい根をたくさんつくって地上部と地下部でバランスがとれた状態になるのがベストです。

良い盆栽というのは枝と根が非常にバランスが取れています。土の中は普段見えない部分なので軽視されがちですが、重要なので植え替えの際にはよく観察して作業してくださいね。

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この記事を書いた人

速水秀樹

速水秀樹
学校を卒業したのちに機械部品の製造会社に就職。いわゆる町工場で旋盤やマシニング機械を操作し、日本のものづくりにたずさわる。もともとの工作好きが講じて、何か自分で無機質でないものを作ってみたい衝動にかられ退職し、盆栽妙のスタッフとして働きだす。将来は盆栽を創りだしたく現在、必死に樹の管理をしながら、技術を修行中。
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